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2021.4.20 [ 股旅取り組み ] 投稿者:

SUTON

 

自社で手掛けるさほらぼの庭。

土木部が植栽の買い付けから植え込みまで全てを手掛ける庭に、

もっとたのしめて、もっと季節を感じられるものをつくりたいと始まった庭のしつらえ。

 

 

開発したのは、庭に置く石の穴に刺さった季節の道具 ”SUTON” です。

 

SUTONの由来は

置く・・・ストン

石・・・ストーン

刺す・・・ストン

 

 

鳥のエサや風鈴、蚊取り線香に行燈など、

庭の緑を感じながら、季節によって吊るすものを変えて目や耳を楽しませてくれる道具です。

 

 

最初の試作はこんな感じに。

 

 

風鈴を吊るして雰囲気を確認し、イメージを沸かせます。

 

絵に描いて図面をつくるだけではわかない雰囲気や問題点など、

実際に試作することで課題がみえ、意見を出し合っては試作し、試作しては修正と、

試作はとても大切な工程なのです!

 

 

角度を決めて、

 

 

色々な機械で加工をして、

 

 

SUTONを支える石に穴をあけ、

 

 

ちょっと眺めてみて、

(・・・ピントが、違う!!)

 

 

いいな~~でもなんか違う… と、加工を繰り返し、

だんだん形がみえてきました。

 

 

米を吊るして、鳥を呼び寄せてみたり。

 

どんなものを吊るせるか、どんなものを吊るしたら楽しいか

吊るすものにも視点を当て完成に近づけていきます。

 

 

 

 

デザインで一番重視したのは、”いつもの庭”を邪魔しないデザインであること。

目立たないけど、さり気なく四季を感じさせてくれるデザインであること。

 

 

形は単純ですが、完成まで1年を費やしました。

素材、太さ、角度、加工方法、調整器具など決めることはたくさん…

 

 

外に置くものなので、腐らない・錆びない耐食性のある素材且つ、

少し重さのあるものでも吊るせる耐久性のある素材をと検討し、

耐食性も耐久性もあるステンレスを採用しました。

 

ステンレスにも種類や仕上げ方は様々です。

検討した中でも、ホット材は光沢がないため、

”目立ちにくい” デザインにはぴったりでしたが、

釣り竿のような細さが再現できなかったため断念…

 

竿の細さを優先させ、ある程度光沢が少ない2B材という素材に決定しました。

 

 

 

また色々なものが吊るせるように、

重さに合わせて竿部分がスライドできるように仕込んであります。

 

 

支える軸に対して斜めの竿を取り付けるため、

溶接という金属同士をつなぐ加工をして一体化させるのですが、

軸も竿も部材が細く角度もあるため、綺麗に収めることに苦戦しました。

 

 

さらに、スライドできるためストッパーの金具も必要です。

始めはイモネジという金具を使用して目立たないようにしていましたが、

イモネジは取り付けにドライバーが必要になるため、

スライドしたいときにドライバーがないとできないという問題点もあり、

あえて目立つ金具にしてみようということで、

簡単に取り外し可能な、蝶ネジを採用しました。

 

 

 

 

試作に試作を重ね、ついに完成!

完成後は、スタッフが好きなものを好きなように吊るして

自分で撮影をして、写真の撮り方も勉強しました。

 

 

 

ちょこっとSUTONの使い方をご紹介👇

(※タイトルは勝手につけさせていただきました)

 

エントリーNo.1 テクニカル  五藤

タイトル 雪の日

ソーラー充電式のランタンがぶら下げてあります。

あえて夜ではなく、雪の日です。

 

 

 

エントリーNo.2 土木部 佐々木

タイトル 蛍

こちらは夜の写真。大きな蛍(?)が飛んでいるような色の照明。

ちゃんと重さにあわせて竿をスライドしているので安定していますね。

 

 

 

エントリーNo.3 土木部 森田

タイトル 宙に浮く植栽

ん?!ただのSUTON?

と、思いきや丸いガラスの中に植物が…庭の植栽と馴染みすぎ!👏

 

 

 

エントリーNo.4 土木部 小阪

タイトル SUTONはどこへ

タイトルの通り、夜はほとんど姿を消すSUTON

コンセプトが伝わる写真ですね。

 

 

 

エントリーNo.5 ディレクター 杉原

タイトル 落下せん

落花生ですが、落下しません。

鳥のエサとして吊るしていますが、今だ、食べてくれません。なぜ?

 

 

 

エントリーNo.6 大工 赤田

タイトル 木鈴(きりん)

木の廃材で作った大工ならではの作品。風鈴ならぬ、木鈴。

意外といい音鳴るんですよ! 木鈴~きりん~

 

 

 

エントリーNo.7 ディレクター  谷口

タイトル 苔玉

さすが、SUTONの表紙を飾っただけあります。

さりげなく、庭に馴染んでいますね~

 

 

ご覧の通り、好きなものを吊るして愉しんでおります。

(何も言わなくても「春夏秋冬」それぞれのパターンを

再現してくれるスタッフ、参考になりますね。)

 

 

 

深い軒下のウッドデッキに座って、庭の緑をたのしむ。

 

 

そこには目立たないけど、さり気なく、
四季の美しさを感じさせてくれるものがある。

 

 

吊るすものはご家族によって様々です。
家族なりの、家族にしかない SUTON の使い方で季節を楽しめます。

庭先や玄関先に置いて、四季をたのしんでみませんか♪

2020.12.18 [ 股旅取り組み ] 投稿者:

コンクリートベンチ 第1弾

 

家づくりにおける住まいの庭、外構デザインも自社で手掛けているさほらぼの家。

さほらぼは建築部門と土木部門の両方を兼ね揃えた会社であり、
その強みを生かした、さほらぼらしい庭をつくりたいという思いから開発がスタート。

 

 

 

まずは現状の庭づくりを振り返り、課題をはっきりさせます。
ここで挙がったのは、“植栽に頼らない庭づくり”。

植栽だけでも庭はつくれます。植栽は季節を感じられるものであり、庭づくりには欠かせませんが、それだけではただ眺めるだけの庭になりがちです。

植栽に頼らない庭づくり、そしてコンクリートと木材を使用して庭を愉しめるもの。
スタッフ全員でキーワードを探りながら意見出しをします。

 

 

 

例えばリビングから連続するように設えた庭をつくれたら、
もっと庭を愉しめるのではないか。 
コンクリートで庭に立体感を表現できないか。
庭に座れる場所があれば庭にも居場所ができる。
など、たくさんの気づきがありました。

 

ということで話し合いの結果、コンクリートを使ったベンチを開発することになりました。

 

 

実は以前、お客様の庭にコンクリートベンチを設置したことがあり、
その経験を参考に、家具デザイナーの村澤さんと検討を重ね、置き型のベンチとしました。

今回の作品は、コンクリートの重たいイメージをなくした
移動ができるコンクリートベンチ。
さらに照明を仕込むことで、夜の庭を照らし、庭に灯りが灯ります。

 

実際に試作品を作って検証してみました。

 

 

 

自然素材の木材は、少しずつ曲がったり割れができたりするため、
ただコンクリートの上に乗せるだけでは耐久性がありません。

そこで建物と同じ考えで、座面の木材に梁をかけてあげることで座面の課題は解決です。
梁は強度を出すだけでなく、照明を仕込める役割も果たしてくれます。

 

 

ただベンチの寸法に収まる、屋外用の照明を探すにも頭を悩ませました。
配線を繋ぐタイプはあるものの、移動ができるタイプには向いていない・・・
村澤さんにもアドバイスをいただきながら、今回は取り外しのできる充電式タイプで
検証してみることに。

 

しかもセンサー式で挑戦してみましたが、ベンチ下まで行かないと反応しないことが判明。
元々センサー式は考えていないデザインだったため、センサー式を挑戦するにはまだ課題はありそうです。

 

 

今回の作品は、コンクリートと木材のそれぞれの特性を把握し、お互いの弱点を補い、
且つさほらぼの庭にあうデザイン というどこも欠けてはならない
商品開発の難しさを学びました。

 

こうして出来がった コンクリート+木材 のベンチ。

 

 

 

植栽の下に置いて木陰を愉しんだり、お出かけ前に腰掛けひと休みしたり。
庭でバーベキューをする際にも大活躍間違いなしです。

さほらぼだからできる、“土木と建築のハイブリット” 作品。
さほらぼの家と繋がる庭で家族との団らんをたのしんでみませんか。

 

第2弾もおたのしみに。

2020.12.18 [ 股旅取り組み ] 投稿者:

一人掛け造作ソファ

 

家づくりでは建物はもちろんのこと、家具や庭も暮らしの中で大切な要素。
建物にはじめから作り付ける家具だけでなく、客層にあわせ、模様替えができるなど
置き家具の良さも知ってもらいたいと始まった1人掛けの造作ソファ。

新しいクッションの素材にも挑戦し、家具デザイナーの村澤さんと共にデザインから検討を始めました。

 

まずは、デザイン検討と並行に、クッションの座り心地や特性を学ぶため、いつもお世話になっている股旅社中メンバーの園田椅子製作所さんをお迎えし、現場で検証を行いました。

 

 

 

モールドウレタンとカットウレタン、フェザー・・・
ウレタンにも反発性があったり、粘りなど柔らかさは様々。

良し悪しをしっかり学び、目的をしっかり定め、さほらぼにあった素材を選びます。
デザインも固まり、1人掛けにしてはとても贅沢な大きさですが、これがまたいい。
この大きさだからできることもたくさん。
試作品として出来上がった、クッションを実際に置いてみて、いろいろな角度から体感しました。

深く腰掛けてみたり、あぐらをかいてみたり、はたまた2脚並べて足を伸ばしてみたり…
2脚並べれば、急なお泊りにも簡易ベッドとして使えそうと新たな発見があったり。

 

 

 

スタッフ全員が体感することで、体系の違いで感じることは異なり、様々な意見が飛び交います。
みんなの意見を参考に、ソファの大きさや高さのデザインは決定です!

 

残すところはソファの脚。

太くいくか、細くいくか。さらには角度をつけてみたり、角に丸みをもたせたり。
強度も確かめながら、大工の赤田に5つのパターンで脚を作ってもらい、検証しました。

 

 

 

そして、ついに完成です。

 

 

 

 

スタッフ全員で取り組み、完成した作品。
既に家づくりが進んでいるお客様からの注文もあり、納品が楽しみです。

 

 

窓辺に置いて庭や景色を愉しんだり、夜はゆっくりとお酒を愉しんだり。
猫や犬の引っ掻きにも強いので、動物を飼っているご家庭でも安心してお使いいただけます。
置き家具だからできる楽しみ方を、このソファで体感していただけたら嬉しいです。

 

造作ソファはこれで完結ではありません。
オットマンやサイドテーブルなど、開発は続きます!

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